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菊菅(中区)

一階は史音という骨董屋さん、右の階段を2階に登ると菊菅さん

2010/08/15 hiroshimanikki



本通りの商店街もすっかり様変わりしてしまった。
かつては老舗がずらっとならんでいたのに、今や、ファーストフードはおろか100円ショップやらゲームセンターやら。
なんとなく特徴のないアーケードになってしまったなあ、と年を感じる今日この頃。

かつてその一角には西日本を代表するといっても過言ではない「菊菅」という刃物屋さんがあった。お菊さんというキャラクターがいたりして結構立派なお店だった。
いったい、どこにいってしまったのか?

なんでそんな話になったかというと、「毛抜き」のいいのがほしいという人がいて、そういえば刃物といえば菊菅だよね、と探してみたということなんです。

どうやら本通りではなくて一本南の筋にあるらしいということで、ぶらぶら。ないなーあきらめるか、どうせお盆だから休みかもしれないし、と思っていたら、ありました。
想定していた位置よりもすこしずれていたので迷っていたのでした。

まちがいないよね、だって、ドアにあのお菊さんが、、、
お盆でも休まずお店をやっているのね。ある意味、一期一会。



2階? 狭い階段を上ってみると、すごい狭い、ほこりだらけの作業場みたいなところがお店でした。
これもほこりのついたショーケースには、待っていたかのように毛抜きが何種類かおいてありました。



ちょこっと錆が浮いていたりするものもあったりするのですが、結構なお値段がします。
でもその説明やらを聞いているとなんとなく納得。
お勧めを聞いて、買いました。

調整します、ということで、砥石で研磨してもらう間 少し待つ。


砥石の音。
古いアナログの持ち運びTV。
そこから聞こえる高校野球のアナウンス。
扇風機のかき回す空気。
何十年も買い手を待ちつづけている金物達。


時計が逆周りしているような気がしてきました。


その聞こえない声に促されるように、はさみの1つを手に取ると、鋼の感触がずっしり。
手になじむような一品。激しく欲しい!という欲望が、、でも1万円近くするのね。
あー美しい。いつかは和ばさみ(幻聴)


「終わりました、どうぞ」 あぶないあぶない金縛りが解けた。

調整のすんだ毛抜きを受け取って(ちゃんと菊菅のビニールのケースに入っていました)、階段を下りて外にでると、熱気が一気に立ち上ってきました。



ふと呼ばれた気がして振り返るとそこは枯れかけた夏草が茂っている空き地でしたとさ。(うそ)



<データ>
菊菅 (ぐぐったら、こんな感じ)
本通商店街の紹介ページ 本通のお店は包丁とはさみの販売のみらしい(未確認です)
刃物の見分け方 に出ている菊菅 でもこのHPって何者!?
foujias高島回顧録さんより、菊菅についての記事


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