街のケーキ屋さん パティスリー アマンド(広島市南区宇品御幸4丁目)
2010/07/17 hiroshimanikki
昔々あるところにレッカアというケーキ屋さんがあったとさ。
そのお店では、まぼろしのシュークリーム、というお菓子が売られていたそうな。
それをまるごと食べた人には、二度とシュークリームが食べれなくなるという恐ろしい呪いがかけられていたそうな。
民はみなそれを恐れ、店から遠ざかった、、、お店はいつの間にか、消えてしまった。
そして時は流れ、、、、、、
いい天気、ようやく梅雨も明けた。
久々に自転車で宇品方面に行ってみよう。
強い日差しの中を、H君は、ままちゃりを自転車をこいだのだった。
花火大会を控え、今年はどこらへんで見物しようかと、沿岸を物色しつつ、元宇品の突端に向かった。
そこで彼が見たものは、、、、
恐ろしい豪雨が3日続いたために発生した、巨大ながけ崩れだった。
元宇品を一周するはずの遊歩道はすっかり土砂に埋もれ、誰もその先に行くことができない。
こっこれは、、、なんの呪いだろうか、、、、
仕方なく、引き返す H君。
いつしかいつもと違う道を走っている。
照りつける陽射しは強く、すべてを光と影の2つに切り分けてしまった。
何かに追い立てられるようにこぎ続ける視線の向こうに、そこだけ赤く風にはためく幟が見えた。
まぼろし、、、
それは、まぼろしのシュークリーム、の幟だった。
くらくらと、よろめくように彼は、店に入っていった。
そこで彼が見たものは、、、、、
何の変哲もない、ショートケーキ群だった。
結構おいしそう。
しかし、、、その一角には、、、こっこれはっ
まぼろしのシュークリーム、250円! 巨大だ。
ついに、彼は、あのまぼろしとまで言われたシュークリームに遭遇したのか?
しかし、その250円という値段は、何事かを隠すように上から不自然に張られたものだった。。。
彼は、おそるおそる聞いたのだった。
これって、昔あったというレッカアのまぼろしのシュークリームと何か関係はあるのでしょうか?
それにこたえて、一見イケメン風のパテシエさんは、
声を潜めて、、、そうではありませんが、、、、
と言いにくそうに、経営者とは親戚同士だったと聞いています。
うーん、危険だ、しかし、ここまで来て買わないわけには行けない。
わけのわからないことを言って、しかし、H君はけちくさい、1つだけそれを買ったのだった。
イケメンパテシエ君は、丁寧に箱につめて、保冷剤をいれてくれました。
ありがとうございました。
それからの家にたどり着くまでの記憶は、、、ない。
家で、ぼんやりその物体を眺めていた彼は、意を決して、それを食べはじめた。
うまい、しかし、こちらのほうがバニラビーンズはやや少ないようだが、黄味が濃いきわめて濃厚なカスタードクリームといえる。さらに、しっかりしたパイ生地が食べた感をいや増す。
彼は、魅入られたように、すべてを食べつくしてしまった。
そして、、、それと気づかない間に、あの呪いが、しっかりと、取りついてしまっていたのだった。
おしまい。
(注意:このお話はフィクションであり、数々の誤謬・矛盾・思い込み・間違いがあるとともに、、、、こっから大切、アマンドのシュークリームにこのような呪いはかけられていませんことを、強調しておきます。)
<データ>
街のケーキ屋さん パティスリー アマンド amande
〒7340015 広島県広島市南区宇品御幸4丁目6−8
082-256-3108